ナノポアシークエンス
nanopore-sequence
ナノポアシークエンスとは?
オックスフォード・ナノポアテクノロジーズ社のシークエンスでは、解析用のセンサーを持つナノポアタンパク質を多数埋め込まれた“フローセル“を使用いたします。核酸(DNAやRNA)から調製したライブラリをフローセル中のナノポアタンパク質を通過させる過程で、核酸の塩基配列の“形と大きさ“を”電流の波形パターン”としてリアルタイムで検出していくことが特徴です。得られた波形パターンは、解析用パソコンを用いた”ベースコール”処理によってA(アデニン)、G(グアニン)、T(チミン)、C(シトシン)に変換していきます。
ナノポアシークエンスでは数百Mb長のロングリードの配列データを得ることが出来るため、ゲノム中のGCリピート領域や複雑な染色体構造の変異だけでなく、メチル化部位の特定(エピゲノム解析)やmRNAのダイレクトシークエンスなども行うことが出来ます。
ナノポアシークエンスのテクノロジー
フローセル中には内径10nmの細孔を持つナノポアタンパク質が多数埋め込まれています(図1)。ナノポアタンパク質の下部にはセンサーが設置されており、調整されたライブラリがセンサーを通過するとライブラリ中の塩基配列に応じてその”形と大きさ”が検出されていきます(図2a)。
読み取った電流の波形パターンの”形と大きさ”を、ベースコール処理によってATGCの塩基配列に再度変換していくことでシークエンス反応が進んでいきます(図2b)。
現在も精度向上などを目的に、ナノポアタンパク質にさらなる改良を加えた開発を続けています。
特徴:アダプティブサンプリング
既知配列を事前に入力することで、追加作業無しで目的ターゲットのみを選択的にシークエンスすることが出来るオックスフォード・ナノポアテクノロジー社独自の機能です。
アダプティブサンプリング機能について詳細を知りたい方は以下の英語のリンク先をご覧ください。
アダプティブサンプリング動画:
https://www.youtube.com/watch?v=fwHreHs9FHg&ab_channel=OxfordNanoporeTechnologies
アダプティブサンプリングについて:
https://nanoporetech.com/document/adaptive-sampling
特徴:メチル化のシークエンス
ナノポアシークエンスでは塩基配列の”形と大きさ”を見分けることが出来るため、メチル化された塩基(5mC、5hmC、6mAなど)についてもシークエンスするだけで通常の塩基と簡単に見分けることが可能です。この操作ではデータ解析用のGPUを搭載したパソコンが必要になりますが、それ以外には特別な操作は必要ありません。
製品ラインナップ
次世代シークエンサー MinION Mk1D
- DNA/RNA向けのロングリードシークエンス装置
- 温度コントロール機能(10-35℃)で最適なシークエンスが可能
- ハイスループットなアウトプット
- 様々なPCとの接続が可能 (Windows、Mac、Linux)
- 様々なアプリケーションに使用可能
例) 全ゲノム/エキソーム解析、全トランスクリプトーム解析、ターゲットシークエンス、メタゲノミクス、ダイレクトRNAシークエンス、16S解析
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型番 |
MinION Mk1D |
|---|---|
| サイズ (WDH) | 55 x 125 x 13(mm) |
| 重量 | 130g |
| 電源 | ノートパソコン/デスクトップパソコンとUSB-C経由で接続して給電 |
次世代シークエンサー GridION
- ベンチトップ型のロングリードシークエンス装置
- 最大で5枚のフローセルを同時に使用可能(フロングルも使用可)
- ハイスループットなアウトプット
例) 150Gb / 5枚のフローセル - 操作・解析専用のコンピューターが付属
例) 4TB SSD, 64GB RAM, GPU: Nvidia Quadro GV100GB - 様々なアプリケーションに使用可能
例) 全ゲノム/エキソーム解析、全トランスクリプトーム解析、ターゲットシークエンス、メタゲノミクス、ダイレクトRNAシークエンス、16S解析
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型番 |
GridION |
|---|---|
| サイズ(WDH) |
365 x 370 x 220(mm) |
| 重量 | 14.4kg |
| 電源 | 100–240V(50/60Hz)、最大650W |
次世代シークエンサー PromethION 2 Solo
- コンパクトなPromethIONタイプのロングリードシークエンス装置
- 最大で2枚の高出力フローセルを同時に使用可能
- ハイスループットなアウトプット
例) 580Gb / 2枚のフローセル - 操作用のパソコンまたはGridIONが必要
- 様々なアプリケーションに使用可能
例) 全ゲノム/エキソーム解析、全トランスクリプトーム解析、ターゲットシークエンス、メタゲノミクス、ダイレクトRNAシークエンス、16S解析
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型番 |
PromethION 2 Solo(P2 Solo) |
|---|---|
| サイズ(WDH) |
152 x 110 x 87(mm) |
| 重量 | 1.5kg |
| 電源 | パソコンまたはGridIONとUSB接続して給電 |
次世代シークエンサー PromethION 2 Integrated
- ベンチトップ型のロングリードシークエンス装置
- 最大で2枚の高出力フローセルを同時に使用可能
- ハイスループットなアウトプット
例) 580Gb / 2枚のフローセル - 操作・解析専用のコンピューターが付属
例) 15TB SSD, 64GB RAM, GPU: Nvidia A-series - 様々なアプリケーションに使用可能
例) 全ゲノム/エキソーム解析、全トランスクリプトーム解析、ターゲットシークエンス、メタゲノミクス、ダイレクトRNAシークエンス、16S解析
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型番 |
PromethION 2 Integrated(P2i) |
|---|---|
| サイズ(WDH) |
180 x 225 x 430(mm) |
| 重量 | 10.6kg |
| 電源 | 100–240V(50/60Hz)、最大750W |
次世代シークエンサー PromethION 24
- 高容量ベンチトップ型のロングリードシークエンス装置
- 最大24枚の高出力フローセルを同時に利用可能
- 最大290Gb/フローセルの高ハイスループットなアウトプット
例) 最大6.6Tbのデータ出力 - 解析に優れた高スペックなコンピューターが付属
例) 60TB SSD, 512GB RAM, GPU: 4x Nvidia A-series - 大規模なシークエンスプロジェクトやトランスクリプトーム解析に最適
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型番 |
PromethION 24 |
|---|---|
| サイズ (WDH) |
シークエンスユニット: 590 x 430 x 190(mm) コンピューターユニット: 178 x 470 x 440(mm) |
| 重量 | シークエンスユニット: 28kg、 コンピューターユニット: 25kg |
| 電源 |
シークエンスユニット: 100–240V(50/60 Hz)、最大1,200W コンピューターユニット: 200–240V(50/60 Hz)、最大2,450W |
ご利用までの流れ
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STEP 01
以下の登録用の入力シートに必要事項をご記入後、弊社の営業担当者または営業推進部にシートをお送りください。
営業推進部:nanopore@bioteclab.co.jp
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STEP 02
オックスフォードナノポアテクノロジーズ社(ONT社)へ
ユーザー様の情報を登録申請させて頂きます。
ONT社に承認されると お客様へ登録の確認メールが届きます。- 承認終了まで数日から約1週間程度かかります。
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STEP 03
確認メールの内容に相違がないかご確認頂き、問題が無ければメール中のAcceptボタンをクリックして頂きます。
- この操作以降はユーザーアカウントが有効になります。
商品の発送にはアカウントの登録が必要です。
- この操作以降はユーザーアカウントが有効になります。
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Nanopore Workshopのご案内
Nanopore Workshopのご案内
ナノポアシークエンスを始めるための基礎知識を学べるワークショップを開催します。
(有償トレーニング、2日間)
1日目: ナノポアシークエンスの原理についての説明とMinIONフローセルを使用したGridIONでのシークエンス
2日目: ソフトウェアMinKNOWの説明とデータ解析方法についての講義
Nanopore Workshopで学べること
- ナノポアシークエンスの原理
- ライブラリの調製法
- フローセルへのライブラリのローディング法
- ソフトウェアMinKNOWの詳細
- データ解析ソフトウェアEPI2MEの使用方法
Nanopore Workshopの詳細はこちらをご覧ください。
※開催予定日についてはお問い合わせください。